【眠れないのは当たり前?】高齢でメラトニンの分泌が減って不眠症に
60歳以上の高齢者の3割もの人が、不眠症などの何かしらの睡眠障害を持っていると言われています。年齢と睡眠には密接な関係があり、年齢によって睡眠のリズムや睡眠時間が変わってきます。若いころと同じように眠れなくなったと悩んでいるお年寄りが多いそうです。ここでは高齢者に睡眠障害が多い理由と改善方法をご紹介しています。
【もくじ】
若い頃のように眠れないのは当たり前?
若い頃に比べて眠れなくなってきた、熟睡できない、眠りが浅くてすぐに目が覚めてしまうなど、不眠に悩んでいるお年寄りが多いそうです。中でも途中で目が覚めてしまう中途覚醒と、朝早くに目が覚めてしまう早期覚醒に悩んでいるお年寄りが多いと言われています。
年齢を重ねると生理機能が徐々に低下するため、それに伴って睡眠時間が短くなるほか、睡眠リズムや体内時計の変化やホルモンの分泌量などの様々な要因によって睡眠の質が変わっていきます。「若いころと同じように眠れない」と悩むのではなく、加齢による不眠の原因を知って、快適に眠れるようになっていきましょう。
高齢者に不眠症が多い6つの理由
若い頃に比べると多くの方は活動量が減っていきます。仕事は定年を迎え、子供は独立して育児の必要もない。若い頃のような激しいスポーツや趣味も減っていくでしょう。1日中ずっと家にいる日もがあるかもしれません。そうなると日中に消費するエネルギーが減るので、若い頃のように疲労を回復させる必要がなくなります。
睡眠時間が短くても十分に疲労回復できるので、日中に強烈な眠気を感じたり倦怠感がなければ特に心配することはないでしょう。
メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、脳の松果体から分泌される眠気を誘うホルモンです。10代をピークにその分泌量が徐々に減っていきます。50~60台になるとピーク時の1/10以下になります。
睡眠のメカニズムはメラトニンの分泌によって眠気が始まり、メラトニンの分泌量が抑制されて目が覚めます。睡眠はメラトニンによってコントロールされています。メラトニンの量が減って眠気が誘発されないので、睡眠時間が減って睡眠が浅くなるのは生理学的に当然のことです。
年齢を重ねると心疾患や糖尿病、リウマチ、夜間頻尿などの身体疾患や精神疾患を持つ方の割合が増えてきます。特に高血圧の方は睡眠障害の合併率が高く、途中で目の覚める中途覚醒が約40%と言われています。
また、これらの病気を治療するための治療薬も不眠の原因と言われています。睡眠障害の原因になりうる薬は気管支拡張薬や胃腸薬、降圧薬や抗うつ薬などがあります。複数の治療薬を服用している場合も多いため、薬の相互作用にも注意しなければいけません。
私達の体温は1日を通して変化しています。朝は体温が低く、夕方にかけて徐々に体温が上がっていきます。入眠前には再び体温が下がり、この体温の下落によって眠気を感じています。深部体温(身体の内部の体温)を下げて日中に活動していた脳を冷やして休ませ、ノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返して疲労を回復させていきます。
高齢になると夜間にあまり体温が下がりません。体温のピークと下落の幅が少ないと寝つきが悪くなり、眠りが浅くなるので途中で目を覚ましやすくなります。
体内時計は体温や血圧、ホルモン、血流などのほぼ全ての生理現象を司っています。加齢によって体内時計による生体リズムが前倒しになるので、若いころに比べて早寝早起きになります。体温が上がるタイミングが朝早く、夜に体温が下がるのも早くなるため、自然と早寝早起きになります。確かにお年寄りには早寝早起きの方が多いですよね。
早く目が覚めてもあまり気にせず、加齢による自然な現象と受け止めてください。日中の活動に大きな支障がなければ問題ないでしょう。
年齢を重ねると睡眠が浅くなり、深いノンレム睡眠のステージ4の徐波睡眠がほとんどありません。ステージ3の深い睡眠の出現も少なく、途中で目が覚めたり早朝に目が覚めやすくなります。寝ている途中で何度も目が覚めると熟睡感が得られず、ぐっすりと眠れない感じがします。加齢によるメラトニン分泌の減少も大きく関わっています。
加齢による睡眠の質低下をカバーする5つのポイント
年を重ねるごとに睡眠が浅くなり、睡眠時間が減るのは自然なことです。とはいっても、夜中に目が1度も覚めることなく寝ていたいですよね。ここでは加齢による睡眠の質の低下をカバーする方法をご紹介していきます。
日中は外に出てなるべく太陽の光を浴びましょう。太陽の光を浴びることでセロトニンが生成されます。このセロトニンは夜間になるとメラトニンに変化します。1日中ずっと家にいる生活が続くとセロトニンの生成が足りなくなり、それに伴ってメラトニンの分泌も減ります。
太陽の光を浴びてメラトニンの分泌量を増やしましょう。太陽の光は体内時計をリセットしてくれるので、睡眠のリズムを一定に保つことができます。
ウォーキングなどの軽い有酸素運動で程よい疲労感を得ましょう。自宅周辺の散歩でも十分です。身体が疲れていると疲労を回復させるために、睡眠が深くなります。外に出て太陽の光を浴びるとセロトニンが作られ一石二鳥です。
1日に1度は外に出て身体を動かし、他の人とコミュニケーションを取り生活にメリハリをつけましょう。
体温の低下やメラトニンの分泌量の低下によって、眠気を感じづらくなるので寝つきが悪くなります。布団に入っても眠れない場合は無理に寝ようとせず、布団から出てください。無理に寝ようとすると、そのことがストレスになって余計に眠れなくなります。眠れないままずっと布団の中にいると、睡眠の満足感が減ってしまいます。
いったん布団から出てもテレビなどの強い光を浴びず、暗めの照明でゆっくりと過ごしてください。眠気を感じてきてから布団に入りましょう。
若い頃に比べて体温が低下しているので、入眠前に体温を上げて意図的に体温の勾配を作りましょう。就寝の2~3時間前に38度~40度の少しぬるい程度のお湯に20分ほどつかってください。じわじわと体温を上げていきましょう。
シャワーでは身体が芯から温まらず、シャワーの刺激で交感神経が優位になって寝つきが悪くなります。毎日入浴できない場合は足湯だけでも効果的です。
睡眠薬が怖いからと寝る前にアルコールをたしなむ方が多いですが、寝酒はやめてください。寝る前のアルコールは副交感神経を優位にし、リラックス効果があるので寝つきが良くなります。寝つきが良くなりますが眠りが浅くなり、アルコールが分解されると覚醒作用で目が覚めます。アルコールによる利尿作用でも目が覚めてしまいます。
睡眠薬よりもアルコールの方が安全だと思わず、実際には寝酒は睡眠を妨害していると認識してください。夕食以降のアルコール摂取は避けるようにしましょう。
高齢者が睡眠薬に頼るとどうなるの?
眠れなくて苦しい場合は睡眠薬が有効ですが、飲み始める前に知っておかなければいけないことがあります。高齢者の場合は薬の分解や排出する能力が衰えているので、薬が体内に蓄積しやすくなります。
・ 薬を代謝する能力が弱まるため、薬が効きすぎたり副作用が出やすくなる
・ 薬の効果が持ち越されて翌日も眠気が残ったり、ふらつきが出る
・ 筋肉が弛緩するのでふらつきやすく、夜中のトイレなどで転倒することがある
・ 習慣性・依存性が出て睡眠薬が止められなくなる
高齢者の場合は不眠症以外でも疾患を抱えている方が多く、複数の治療薬を服用している場合が多いです。薬の相互作用に十分に気を付け、服用している薬を医師や薬剤師に必ず伝えてください。
睡眠薬は中枢神経に直接働きかけ、脳の働きをシャットダウンするので強制的に眠ることができますが睡眠中の脳波も異なり、自然な眠りではありません。飲み始めると「睡眠薬がなければ眠れなくなる」と依存に苦しむことになりかねません。安易に睡眠薬に頼るのではなく、先ずは上記5つの生活習慣を試してみてください。
やっぱり頼りになるのは睡眠ホルモン「メラトニン」
メラトニンは睡眠を誘発するホルモンなので、メラトニンの分泌を増やせば質の高い睡眠を得ることができます。メラトニンと光には密接な関係があり、夜に強い光を浴びるとメラトニンが抑制されます。その反対に昼に太陽光のような強い光を浴びると、夜間のメラトニンの分泌が増えます。
日中はなるべく日光浴をすることがおススメです。外に出ることが厳しい場合は、カーテンを開けて部屋に光を取り込んだり、カーテン越しの太陽光を浴びるだけでも効果があります。
さらにメラトニンの分泌を増やすために
メラトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから作られています。トリプトファンを摂取することによって、食事からメラトニンの分泌量を増やしていきましょう。トリプトファンは肉類や魚、ヨーグルトなどの乳製品、豆類など幅広い食品に多く含まれています。吸収をアップさせるためにビタミンB6も一緒に摂取すると良いでしょう。
トリプトファンは幅広い食品に含まれていますが、吸収力が低い栄養素です。吸収力をUPさせる補酵素も一緒に配合されているサプリメントでの摂取が手軽でおススメです。
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